不妊・不育治療における鍼灸治療は、「不妊のための治療」というよりも、 鍼灸により全体的な心と身体のバランスを整え、赤ちゃんを受け入れる母体の安定や準備をゆったりと行っていく治療です。
身体の一部の症状だけを見るのではなく、全体を見てそのアンバランスを整えることで、子宮や卵巣の機能が改善していくという身体に優しい治療法なのです。
私たちは不妊の鍼灸治療について多くの治療経験を持っています。皆様のお役に立てることはたくさんあるはずです。お気軽にご相談ください。
通院については一つの指標として、1~2週間に1度程通院をしていただければと思っております。
心身、体調を整える上で大事なことは継続です。
東洋医学的な見地から考えれば、一般的に慢性的な悩みであればあるほど、すぐに症状が改善される、劇的な結果が出るということは難しいと言えます。
「焦らず、慌てず、諦めず」の精神でじっくりと体調・体質を改善をしていく必要があります。
そのためには、例えば西洋医学的な治療の前に補助的な役割として、単発的、断続的に 鍼灸治療を受けるのではなく、じっくりと定期的に通院することが大切です。
後者のペース(定期的)で治療を継続している方が「妊娠」に至っていることは言うまでも ありません。
治療期間については、それぞれの症状の深さのレベルによって 変わってきます。また、症状の慢性度、精神的・肉体的な ストレスの強度なども関連します。
よって、個々人によってその「妊娠」「出産」という赤ちゃん との出逢いまでに必要な治療期間や回数は異なってきます。 2年以上根気強く通われて「妊娠・出産」に至った方も少なくありません。
赤ちゃんとのその出会いまで、「焦らず、慌てず、諦めず」にゆったりと笑顔で過ごしてあげる、また、心身を 整えるために定期的な鍼灸治療を受けることが大切です。
時にイライラしたり、思い悩んだりしながらも、笑顔で赤ちゃんを待ってあげる期間にじっくりと寄り添っていくのも我々鍼灸師の役割です。
□東洋(中国)医学的な「不妊治療」の概要
東洋(中国)医学の不妊治療とは 東洋医学(中国医学)では、女性の場合の「不妊」は「不孕」(ふよう)と呼び、 その原因については、代表的なもので数種類あります。
「腎虚」(じんきょ)、「気血両虚」(きけつりょうきょ)、「肝気欝結」(かんきうっけつ)、「痰湿」(たんしつ)、「血瘀」(けつお)、「陰虚血熱」(いんきょけつねつ)などの 証(病名)が挙げられます。
□ストレス、エネルギー不足など様々な要因が卵巣や子宮に影響
聞きなれない言葉ばかりだと思いますが、簡単に説明すると、根本的なエネルギー不足、 身体自体や生殖器に滞ったり・発生する不要物、精神的なストレスなどが「不妊」の要因に なっているということです。
それらの要因によって子宮や卵巣の働きが悪くなり、「不妊」という状態を招くのです。これらの不調の要因を取り除いていくのが東洋医学(鍼灸治療)における「不妊」治療です。
□子宮、卵巣だけでなく、心と身体全体をケア
そして、上記で述べた東洋医学的な治療アプローチと共に、もう一つ我々がとても大事だと思っている東洋医学的な「不妊治療」のアプローチについて書かせて頂きます。
それは、東洋医学における「不妊」治療は、「生殖機能」にすべての注意を傾ける医療であってはならないということです。
西洋医学における「不妊」治療が「生殖機能」を中心とした医療であるとすれば、 東洋医学的な「不妊」治療はその人、個人を診て、その方全体の「心と身体」に思いを傾ける 医療だと考えています。
病の全体を診て、全身に心を配る、それこそが現代の「不妊治療」の中で東洋医学の果たす 役割ではないかと切に思っています。
□心と身体を元気にして
「その時」を待ちましょう
上記の述べた東洋医学的な「不妊」の要因は、 身体全体と心の機能が鍼灸治療の手助けを受け ながら、自然にゆったりと働きを取り戻すものです。
「子宮」や「卵巣」(女性の場合)だけが一人歩き して「元気」になっていくものではありません。
患者様の心と身体をほぐし、まずは自分の身体や心を 大事にする気持ちを治療者と患者様がお互いに共有し、ゆったりとその時が来るのを待ってあげる、 それが東洋医学に求められる「不妊治療」ではないかと私たちは思っています。
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